「事件、風化させない」タクシー運転手強殺から9年

update 2015/12/22 10:06


 北斗市のタクシー会社「しんわ交通」の八木橋朋弘さん(当時42)が殺害された「タクシー運転手被害強盗殺人事件」は、21日で発生から丸9年を迎えた。函館西、中央署などは同日、函館西署函館駅前交番付近と函館昭和タウンプラザ内で街頭啓発を実施、早期解決に向けて情報提供を呼び掛けた。

 事件は2006年12月21日早朝、函館市港町3の函館港でタクシーのトランクから、刃物で刺されて死亡した八木橋さんを同僚が見つけて発覚。売上金約2万円もなくなっていた。

 これまでの捜査では、八木橋さんは同日午前3時50分ごろ、北斗市七重浜1付近で前日の勤務から16番目の客を乗せて、国道227号を七飯町方面へ走行。同4時20分ごろ、同町峠下周辺で停車していたことがGPS(衛星利用測位システム)で分かっている。

 さらに、峠下では八木橋さんの血痕や携帯電話が見つかっており、殺害現場となった可能性が高い。犯人は犯行後、タクシーのトランクに遺体を運び、自ら運転して函館港に向かい、到着後に逃走したとみられる。

 この事件では9年間で捜査員延べ9万7500人を投入するも、有力な情報がなく捜査は難航。これまでの情報提供件数は160件で、昨年9件、今年5件と減少傾向にあり、捜査関係者は「事件を風化させることなく捜査を進める」とする。

 函館駅前交番前での街頭啓発では函館西署員12人が、通行人に捜査本部の電話番号などを記したポケットティッシュを配り、捜査への協力を求めた。

 同署の中田政利刑事・生活安全官は「どんなささいな情報でもいいので協力をお願いしたい」と話している。合同捜査本部のフリーダイヤルは0120・004・179。

提供 - 函館新聞社

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