寒中みそぎ祭り 加藤君、夢の行修者に

update 2015/11/30 10:19


 【木古内】町内の佐女川神社で来年1月13〜15日に行われる伝統神事「寒中みそぎ祭り」の新しい行修者が、函館大学附属柏稜高3年の加藤之康君(17)=北斗市在住=に決まった。来年から4年間務め、祭典期間中は昼夜を問わず水ごりして祈りをささげる。

 寒中みそぎは1831(天保2)年に始まり、来年で186回目を数える。行修者は4体のご神体を持って佐女川神社の境内と津軽海峡に面した「みそぎ浜」で冷水を浴び、1年の豊漁豊作を祈願する。

 加藤君は祖母の家が木古内町にあるため、寒中みそぎは毎年見に行っていた。初めて行修者を目の当たりにしたのは小学校低学年のころ。極寒の中でも微動だにせず、何度も冷水をかけあう勇ましい若者の姿にあこがれを抱いた。「かっこいい。自分もなりたい」と約10年思い続け、今回ようやく願いがかなった。

 中学校から野球部に所属。高校ではキャッチャーのポジションで体を鍛えてきたため、体力には自信がある。「歴史や伝統を受け継ぎ、幼い時からお世話になっている木古内町に少しでも恩返ししたい」と意気込む。同神社の野村広章宮司(59)は「(加藤君は)誠実で力強い印象。先輩の助言を聞き、これまで温めてきた気持ちで鍛錬に耐え、素晴らしい行修者になると期待している」と評価する。

 加藤君以外の行修者は、高橋駿さん(24)、目時基史さん(24)、新井田真一君(17)。祭典は13日午後6時に参籠(さんろう)報告祭で開幕し、同神社の境内で水ごりを始める。

提供 - 函館新聞社

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