エゾシカ被害65%減 14年度道南700万円
update 2015/11/24 10:13
エゾシカによる2014年度の渡島、桧山管内の農林業被害額が前年度比65%減の700万円だったことが、道のまとめで分かった。被害額が最も多い函館市が大きく減少したためで、電気柵や金網柵の導入が進んで成果を上げていることに加え、自己防衛のため狩猟免許(わな)を取得する地元住民が増えていることが背景にある。
被害額の内訳は渡島が600万円、桧山が100万円。13年度の被害額(渡島1800万円、桧山200万円)に比べ大きく減った。このうち、函館市は13年度の1450万円から14年度は300万円まで減少した。
函館市農林水産部によると、市東部の鶴野町や米原町、白石町でのエゾシカ被害が多かった。被害対策として国の交付金を受け電気柵4キロ、金網柵3・8キロ(いずれも総延長)を整備した。また、わな猟免許の取得者も13年度は70人だったのに対し、14年度は76人となり、自己防衛に取り組むケースが増えている。市は「被害額は対策を講じて減ったが、シカの生息数が減っているとは言えない」(農林整備課)と指摘する。
道内の被害額は11年度にピークとなる約64億円に達した。事態を重く見た道が捕獲に力を注いだ結果、推定生息数は10年度の63万頭が14年度には48万頭まで低下。被害額は3年続けて減り、14年度に約46億円となった。振興局別では桧山が最も少なく、次いで渡島の順だった。
ただ、道南でも生息数が増加傾向にあると判断、道は12月から来年2月まで道南部(後志、渡島、桧山管内)での生息数を推定する調査を行う。南部は情報不足から実態が把握できていなかったが、今回はヘリセンサス、自動撮影、GPS(衛星測位システム)追跡を実施。調査結果に基づき、推定生息数を算出し捕獲目標を設定する考えだ。
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