市民有志 外国人墓地散策マップ作成

update 2015/11/23 10:11


 函館の主要観光スポット・外国人墓地(船見町)の魅力をさらに知ってもらおうと、市民有志がこのほど「はこだて外国人墓地散策マップ」を作成した。歴史愛好家らが集まって今月10日に発足した「はこだて外国人墓地散策の会」(遠藤浩司代表)の取り組みで、遠藤代表(55)は「函館に縁あって訪れた異国の人々を、マップを見ながらしのんでみては」と、活用を呼び掛けている。

 函館元町ホテル(大町4)の社長を務める遠藤代表は、以前東京への出張時に見た雑司ヶ谷霊園の墓地マップをヒントに、地元の外国人墓地でも作ろうと考案。「景色が良く、ゆったりとした時間を過ごしたい人にはいいかもしれないが、何を見ていいか分からないという人も多い」と、作成のきっかけを話す。

 作成にあたっては、考古学者の故馬場脩氏が1975年に出版した「函館外人墓地」を参考にまとめた。国や宗派ごとに分かれている墓地の中でも、ロシア人墓地とプロテスタント墓地を中心に構成。中でもロシア人墓地に関して、初代ロシア総領事として知られるヨシフ・ゴシケビッチ(1814〜75年)の夫人の墓の存在や、江戸時代末期の1859〜63年に埋葬者が集中している点などを重点的に紹介している。

 同会には「はこだて外国人居留地研究会」のメンバーや市内で活動するまちあるきガイドらが参加しており、今後は観光客向けにガイドもしていきたい考え。マップを手にした室蘭からの観光客(27)は「一つ一つの墓にエピソードがあるとは思わなかった」と気に入った様子だ。

 B4判4つ折りで3000部作成。同ホテルや市地域交流まちづくりセンター(末広町4)などで無料配布している。遠藤さんは「来年3月の北海道新幹線開業を見据え、さらに函館の魅力発信に努めたい」と話している。

提供 - 函館新聞社

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