青函食材でフルコース料理 弘大研究所がメニュー作り奮闘中

update 2015/11/19 10:15


 青函の食材を使用したフルコース料理を首都圏や世界へ−。弘前大学食料科学研究所(青森市、嵯峨直恆(なおつね)所長)が来春の北海道新幹線開業を見据え、津軽海峡圏の食のプロモーションに取り組んでいる。産学官金で連携し、将来は東京などで富裕層をターゲットとしたレストランを開業する構想だ。

 同研究所は2013年設立。リンゴやゴボウ、ホタテなど青森県産農林水産物の高付加価値化やブランド化を目指し、食材の機能性などを研究している。

 今年1月には青森県むつ市と共同で、ホタテのマリネやアワビの冷製など地元食材を豊富に盛り込んだ前菜「下北プラッター」を開発。その後もコース料理のメニュー作りに向け、青森近海で捕れた海産物や八甲田牛などを食材としたグルメの試食会を青森市内で数回開いている。

 嵯峨所長は「良い素材をただ買ってと言うだけでは通用しない。視覚や味覚で魅力を訴えたい」と、フルコース料理へのこだわりを話す。目指すのは近畿大(大阪)が東京の銀座や大阪で手掛けるレストラン。同大が完全養殖した「近大マグロ」を素材とした料理を提供し、大人気を呼んでいる。

 来年1月には、東北と道南自治体の首長や有識者らを招いた「青函フルコースサミット」を計画。イカやマグロなど津軽海峡圏の食材を使用したフランス料理や地元のワインを試食してもらい、意見交換を行う予定だ。嵯峨所長は「新幹線開業はチャンス。首都圏進出だけではなく、観光客を呼び込むために青函のグルメを味わってもらう観光ルートの確立も研究したい」としている。

提供 - 函館新聞社

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