上ノ国高 国際支援活動の輪広がる

update 2015/11/19 10:14


 【上ノ国】上ノ国高校(鈴木聡校長、生徒74人)が進めている国際支援活動の輪が、町内で広まりつつある。自然災害の支援を呼び掛ける募金活動のほか、今年は大手アパレルメーカー「ユニクロ」の事業に参画、地域の協力を得て世界各地の難民の子どもたちに届ける衣服を大量に用意した。生徒は「多くの協力に感謝したい」と支援活動の充実を誓っている。

 支援活動は同校の英語教育活動の一環で、昨年9月に発足した「KEEP(キープ)プロジェクト」を中心に展開。ユニクロの社会貢献「届けよう、服のチカラプロジェクト」に応募し、本年度の実施校に道南で唯一選ばれた。7月に同社関係者が来校、難民支援の在り方や衣服が果たす役割などの講義で、生徒たちは難民地域の同世代が置かれている貧困などの現状を学んだ。

 これを受け、9月中旬から町内の小中学校に子ども服の無償提供を呼び掛けた。シリア難民の様子などを調べて模造紙で分かりやすく説明し、支援の必要性を訴えた。

 児童会や生徒会の後押しを受けて、今月6日に20キロ容量の段ボール12箱分が集まった。町の広報誌でも紹介され、一般町民が直接高校に服を持ち運んだこともあった。

 服はユニクロを通じて難民キャンプに送られ、来年1月には届け先の様子を収めたビデオメッセージが上ノ国に届く予定だ。

 2年の山本理帆さん(16)は「協力してくれる皆さんの気持ちが本当にうれしい」、3年の斉藤沙知さん(18)と和田蒼士君(17)も「難民支援で直接何かできるわけではないが、小さな積み重ねでも支援の思いを持ち続けたい」と語る。

 KEEPメンバーのほか、ボランティア局や総合文化部など「全校挙げての活動がまちで評価されている」と草瀬みちほ教諭。鈴木校長も「生徒と教諭の頑張りに加え、上ノ国ならではの地域連携の良さが一連の支援活動の支えだと思う」と話している。

提供 - 函館新聞社

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