函館で先端科学移動大学、北大教授に最新研究学ぶ
update 2015/11/15 10:47
北大の教授が科学技術に関する最先端の研究内容を講義する「第24回先端科学移動大学2015」(北海道青少年科学文化財団、函館市教委共催)が14日、函館市中央図書館で開かれた。画像処理や鳥類の求愛行動などの研究者5人が登壇、学生や社会人などが熱心に耳を傾けた。
「ヒトは何歳まで生きられるか〜寿命と再生をめぐる生物学」と題して講義した北大北方生物圏フィールド科学センターの栃内新特任教授は、体に新しい細胞を供給する幹細胞の若返りによる不老不死医療について「今でも飢餓が起こっているし、もし死がなかったら、地球上に食料がなくなり、生きていけなくなる。不老不死医療の不自然さを認識すべき」と指摘した。
その上で、失った手や足などを再生させる再生医療に言及。昨年、栃内教授の教え子が「ヒトでも爪が残っていれば、骨を含めた指先が再生する」との論文を発表しているほか、従来できないと思われていたES細胞やiPS細胞による試験管内の器官形成に世界中の研究室が工夫しながら成功しており、「クローンのマウスやヒトができるのも時間の問題。決して夢物語ではない」と危機感をあらわにした。
終了後、5講座全てを受講した37人に修了証が手渡された。
同大学は釧路、旭川、函館の3都市を巡回しており、函館での開催は8回目。13日には5人が市内の高校5校をそれぞれ訪問して授業を行った。
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