大間原発「函館の懸念は当然」…小泉、細川元首相が来函
update 2015/10/30 10:31
原発ゼロを目指す活動を進める小泉純一郎、細川護煕の両元首相が29日、来函した。工藤寿樹市長が国と電源開発を相手取った大間原発建設凍結を求める訴訟に至った経過を説明した。懇談後、小泉氏は「話を聞けば聞くほど、函館の懸念や反対は当たり前だ。大間の建設を阻止するよう頑張らないとならないという気持ちを強く持った」と述べた。
細川氏が代表理事、小泉氏が発起人代表を務める一般社団法人自然エネルギー推進会議の取り組み。函館市の大間原発訴訟の代理人を務める河合弘之弁護士、中川秀直元官房長官らが同行した。正午すぎに市役所に到着し、工藤市長や佐古一夫市議会議長が出迎え、居合わせた市民からも拍手が起きた。
懇談は非公開で約20分間行われた。市総務部によると、市長は避難計画策定を義務付けられながら函館には同意権もなく、実効性のある避難計画策定も困難な状況などを説明。懇談後には、庁舎8階から津軽海峡を挟んだ大間原発を双眼鏡で視察し、工藤市長が「山もなく遮るものがない」と述べ、テロへの懸念や対岸との周辺人口の違いなどを伝えた。
視察後、記者団の取材に小泉氏は「大間原発は日本全体の問題であると再認識した。函館こそ原発問題の核心的問題をはらんででいる」と強調。細川氏も「原発ゼロ、自然エネルギー普及にさまざまな努力をしている。いろいろな形で、あらゆる角度から頑張っていく」とした。
また、小泉氏は核燃料サイクルの実現性について否定的な見解を示し、「原発を容認した時と同じ。いずれ放射能の害を少なくする技術を確立するといって50年、60年もできていない。原発推進論者は大いなる危険があるのにやろうとしている」と述べた。今後の活動については「国民一人一人が危険性を感じてもらえるよう活動を続けなければならない。ひるんでもあきらめてもいけない」と訴えた。
工藤市長は「心強く、ありがたい。強力なお二人の応援は市民も関心を持っている。裁判を戦うだけではなく、世論を盛り上げるため、私も発信をしていく」と力を込めた。
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