恵山郷土博物館廃止へ

update 2015/10/28 10:28


 函館市は27日、旧恵山町の歴史的資料を展示する市恵山郷土博物館(柏野町117)を本年度限りで廃止する方針を明らかにした。施設の老朽化が著しく進んでいるためで、展示物の一部はえさん小学校で保管する。市は12月の定例市議会に、市郷土館条例の廃止案を提出する。

 同日、市恵山支所で開かれた恵山地域審議会(東福洲二会長)で、恵山教育事務所が報告した。

 同館は観光名所のつつじ公園に隣接し、1968年に開館。恵山地区にある日ノ浜遺跡で出土された縄文時代の土器や石器をはじめ、クマやエゾシカといった動物のはく製などを展示している。これまで2回ほど改修工事をしてきたが、雨漏りや外壁のはがれなどが進んでいることから、市は昨年度から施設の解体を視野に検討してきた。

 利用状況は例年、恵山つつじ祭りの開催時期をピークに減少傾向で、開館期間を縮小してきた。昨年度は同祭りに合わせて5〜6月の16日間だけ開館したが、本年度は通年休館としている。

 市は同小の冬休み時期に手で触れられる土器、石器などの展示物を移動。はく製などは市立函館博物館が管理する。条例廃止により、本年度中で郷土博物館としての機能はなくなるが、建物の取り壊しについては現段階で未定。同教育事務所は「利用者の保全を第一に考えた方針。展示物は郷土史学習のため有効に活用したい」としている。

提供 - 函館新聞社

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