台湾での民族運動学ぶ…ヨハニ氏ら4人講演
update 2015/10/19 10:22
多文化共生社会の実現を考える「第3回台湾原住民族との函館交流会」(NPO法人道南マウコピリカの会主催)が18日、サン・リフレ函館で開かれた。台湾で1980年代以降に沸き起こった原住民族権利回復運動に携わったヨハニ・イスカカヴットゥ氏ら4人が講演した。
パイワン族で公共テレビ局プロデューサーを務めるディアナヴ・ジェンロール氏は運動の中で、民族を代表したジャーナリストとして運動や民族の姿を追った。アジア初の先住民族テレビ局の立ち上げにもかかわった。妻でブヌン族のウマフ・バララヴィ氏も記者として活躍している。
ディアナヴ氏は民族側の視点で報道することで、文化の保護、維持の契機になったと指摘。冒頭には民族伝統の鼻笛も披露し「言葉はうそをつくが、楽器の音色はうそはつかない。古い伝統や民謡を伝える使命を感じている」と述べた。
原住民族の運動リーダーを務め、台湾行政院原住民委員会元大臣となったヨハニ氏、妻のサニ・タキスリニアン氏も講演。アイヌの弓の舞「クリムセ」の披露なども行われた。
同NPOの加藤敬人理事長は、恵山や駒ケ岳もアイヌの神聖なヌプリ(山)とだったとし、和人との土地問題に言及。「我々は土地を返せといった要求をしているわけではない。和人とよく話し合って、共存、共栄していく方向を模索している。法律で決めてもらい、タブーとされる土地問題も言い合える間柄になれればいい」と述べた。
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