市椴法華振興公社 本年度で解散へ
update 2015/10/14 10:15
函館市は13日、椴法華地域のホテル恵風と市灯台資料館(ピカリン館)の指定管理を行う市椴法華振興公社(三輪秀悦社長)を、本年度いっぱいで解散し、指定を取り消すことを明らかにした。市椴法華支所は解散の理由に「利益の最も大きいホテル宿泊客が10年前から6000人ほど減少し、同公社の経営に大きな影響を及ぼしている」と説明。同公社の財務状況を精査した上で、今後の経営が厳しいと判断した。市は新たな指定管理者候補の選定を進める。
同公社は1997年4月、旧椴法華村が観光振興を目的に全額出資して設立。同年、村が国民宿舎「恵山荘」を引き継いで同ホテルを建設、同公社が第三セクターとして管理運営を始め、2006年度から指定管理者に指定されている。
ホテル利用客は、10年前の2005年度に10万3308人だったのに対し、14年度は7万3686人と約3割減少。利益が大きい宿泊客は05年度比5980人減の1万5534人と、過去10年間で最低となった。経営成績は11年度から4年連続で赤字を計上。昨年度は453万円の純損失で、繰越利益剰余金も初めて287万円の赤字となった。
同公社の財務状況(3月末現在)は流動負債が流動資産を約590万円上回っており、短期的支払能力が低い状況にある。ただ、市は両施設を「同地域にとって不可欠な存在」として、新たな指定管理者候補を選定する予定。また、露天風呂や運送バスなど同公社の有形固定資産(約8000万円)のうち、市はホテル運営に不可欠な資産を買い取る考えだ。
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