半世紀以上前の製図 「交通局章」図面発見
update 2015/10/12 10:20
函館市駒場町の企業局交通部内で、1959年製図の「交通局章」の図面が見つかった。函館市章の「巴」を中心にレール断面を表す6つの「工」の字状の記号で囲んだ形で、車両用の記章として巴の半径や空間の幅など寸法が記されている。独自の丸みを帯びた算用数字の図面も見つかり、同部は「貴重な発見」としている。
局章は路面電車事業が市営化された1943(昭和18)年から現在まで部章として引き継いでいる。同部は2013年の路面電車開業100周年時に、公立はこだて未来大学木村健一教授の研究室の協力で、部内で用いられているマークや文字などのデザインを再整理しデジタル化した。それまでは車体用のプレートや印刷物などさまざまな場面で用いられていたが、必ずしも統一された形状ではなかった。
図面では、局章の半径は195ミリで、「工」の幅、間隔、プレート化する際の厚さなどが指定され、「昭和34年10月」に製図したことが記されている。同部施設課の廣瀬弘司課長は「100周年の時にも探してはいたが、今回別の図面を探した際に偶然見つかった。寸法入りの図面はなかったので貴重な発見」と話す。
局章のほか、系統板や車体番号などに用いられ、丸みに特徴がある交通部独自の「0」〜「9」の算用数字の図面、算用数字とローマ数字の「I・II」を組み合わせ、台車の車輪位置を示すプレート用の図面も見つかった。
同部はこれらの図面を元にして、10月に市交通部標準色に戻した「719号車」(図面と同時期の59年に導入が始まった710形車両の1両)の数字の塗装などを施している。
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