新人機動救難士、100キロ走破

update 2015/10/9 10:22


 第一管区海上保安本部函館航空基地(野口昌幸基地長)は7、8の両日、同基地の機動救難士として4月に配属された4人の研修の総仕上げに、24時間以内に松前町から市内赤坂町の同基地まで走る「100キロ行軍」を行った。4人は7日正午に出発後、先輩職員たちが迎える中で8日朝、同基地にたどり着き、過酷な訓練をやり遂げた。

 機動救難士は、海上で漂流する遭難者らをヘリコプターや潜水で迅速に救助する。本年度配属された阿萬野礼央さん(29)、福本直晋さん(26)、村上裕記さん(25)、柴崎翔平さん(25)の4人が参加した。

 100キロ行軍は、機動救難士には体力とともに過酷な条件下でも救助者を安全、迅速に助け出す冷静な判断力が求められることから、業務を行う前の研修として全国の海保で行われているという。

 持ち物は水500ミリリットルとライト、着替えなどの簡単な装備のみで、水と塩以外の飲食はできない。4人は2人1組に分かれて松前町の道の駅を出発し、声がけやストレッチなどをして助け合いながら、空腹や寒さ、痛みに耐えてゴールを目指した。

 8日午前7時半ごろ、福本さんと村上さんの2人が同基地に到着。阿萬野さんと柴崎さんは制限時間2時間前の同10時ごろにゴールテープを切った。4人には機動救難士になった証としてオレンジ色の機動救難服が今月末ごろに贈られるという。

 福本さんは「いろんな人が支えてくれたおかげでゴールが出来た。今までの訓練で得た知識や技術を生かし、プロ意識を持って今後の活動につなげていきたい」と話し、同基地の高橋基一次長は「荒天の中でいろいろ考えながら来たと思う。今回の経験を一つの糧として現場で生かしてもらいたい」と期待を込めた。

 同基地によると、道内と東北の一部で、機動救難士が出動した回数と救出人数は、2012年度103回12人、13年度86回16人、14年度92回25人。本年度は8日現在で31回4人。

提供 - 函館新聞社

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