ドクターヘリ運航調整委、函病院長が下北への運航拡大を提案
update 2015/10/2 10:10
道南ドクターヘリ運航調整委員会(委員長・浅井康文函館新都市病院名誉院長)の第5回会合が1日、ロワジールホテル函館で開かれた。同ヘリが要請を受けた症例などについて検証する「事後検証部会」の設置を承認したほか、同ヘリ基地病院の市立函館病院の木村純院長が「青森県大間町を中心とする下北半島北部への出動が実現できないか」と運航圏の拡大を提案、同調整委での検討を求めた。
運航圏の拡大に関し、木村院長は下北半島北部で年間20件前後の搬送があり、青森、八戸両市に運ばれていると説明。「医療圏は生活圏と一致させるのが良く、北東北などでは県境を越えての搬送はすでに行われている。2016年度以降の実現に取り組みたい」と述べた。
これに対し、道保健福祉部地域医療推進局地域医療課救急医療グループの中島康敬主幹は「今年5月時点で青森側は道との連携に関心がない状態だった」とした上で、「青森、道を交えた協議の実施や運航圏拡大に関する協定締結、青森側の負担金などの議論を深めていった中で実現するだろう」と答えた。
調整委の事業を円滑に進める事後検証部会は、年1回の開催を予定。治療開始時間や搬送時間の短縮効果、転帰について分析し、ドクターヘリの有効性や課題の発見を目的とする。前年度に同ヘリ運航管理室のホットラインで出動要請を受けた全件数を扱い、運航実績から適切な運航過程や治療処置などを検証する。
このほか、同調整委消防関係部会は、同ヘリと救急車が落ち合う着陸地点「ランデブーポイント」について、計291カ所(9月1日現在)のうち、除雪体制が整っているなど、冬期間に使用可能なポイントを39カ所と報告。同部会は今後の本格的な冬期間の運航に向け、除雪体制の強化によってポイントを増やせるよう協力を呼び掛けた。
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