恵山噴火に備え火山活動学ぶ
update 2015/9/26 10:28
活火山・恵山(618メートル)に関する知識の向上を図るため、市と函館地方気象台は25日、恵山登山研修会を行った。関係機関が合同で登山研修を行ったのは初めてで、函館開発建設部や海上自衛隊、道警など6機関から27人が参加、火口周辺や観測地点で、恵山の火山活動について学んだ。
研修では、同気象台の山岸晋火山防災官が恵山の構造について説明。熱映像装置や観測した噴火の温度を基にX、Y火口(通称・小地獄、大地獄)について「小さい噴気孔が複数あり、現在も高温の火山ガスが出ている」とした。Z噴気地帯は「地表に高い温度の場所があり、草木が生えづらい状態になっている」と説明。その後、柏野観測点(旧恵山小学校)に移動し、地震計や傾斜計などの設置状況についても紹介した。
市は今年3月、市防災会議内に恵山火山対策部会を設置、本年度中に避難計画を策定する。気象台は新たに火口監視カメラなど4種4機の観測機器の増設を予定している。
気象台によると、恵山は約8000年前にマグマ噴火し、恵山溶岩ドームなどを形成。1846年の噴火で発生した火山泥流により多数の死者が出る被害があったという。常時観測が開始された2005年以降は目立った活動はなく、噴火の兆候も確認されていないという。
市の三原克幸総務部参事は「実際に噴煙が上がっているところなどを見ることで、活火山であることをあらためて認識できた。今後の避難計画を進める上で大事な研修になった」と話していた。
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