函館ゆかりの報道写真家・故岡村さん写真展
update 2015/9/18 10:35
ベトナム戦争の報道写真で米国を代表する写真雑誌「LIFE」の表紙を飾るなど、紛争地の取材で活躍した函館ゆかりの報道写真家、岡村昭彦さん(1929〜85年)の写真展(実行委主催)が18〜25日、函館市地域交流まちづくりセンター(末広町4)で開かれる。岡村さん没後30年に当たる今年は、戦後70周年、ベトナム戦争終結から40週年の節目。紛争地の取材を通して平和を訴えた岡村さんの撮影写真のほか、遺品も公開する。
岡村さんは東京都生まれ。東京医学専門学校中退後、52年にトラピスト修道院(北斗市)で客室係として働いた。54年に結婚し、妻の実家だった栄文堂書店(函館市末広町)で出版流通に携わった。62年、PANA通信社に入社し、翌年の63年には南ベトナム軍に従軍し、戦争の前線を取材した。
「LIFE」の71年3月12日号では、南ベトナム軍によるラオス侵攻作戦失敗の取材に成功し、10ページにわたる特集が組まれた。紛争地の取材のほか、日本のホスピス運動にもかかわり、「ホスピス 末期がん患者への宣告」(家の光協会)を出版した。
写真展では、ベトナム戦争などの写真約40点のほか、愛用品も展示。取材時に使っていたカメラやヘルメット、直筆の原稿用紙などを並べる。
岡村さんの長女で、栄文堂書店の店主、佐藤純子さん(61)は「当時ベトナムで起きたことを写真を通して伝えたい。生きること、死ぬことを考えるきっかけになれば」と話している。
入場無料。18日午後6時半から、オープニングトークを開き、写真史家で武蔵野美術大学非常勤講師の戸田昌子さんが、岡村さんの写真を解説。19日は午後1時から、「こどもギャラリートーク」として戸田さんが子ども向けに講話するほか、手回しオルガン奏者の紀あささんの演奏会もある。
開場時間は午前9時から午後9時(初日は午後1時開場、最終日は午後3時閉場)。問い合わせは同書店(TEL0138・22・3419)へ。
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