駒ケ岳噴火想定し避難訓練、森町

update 2015/9/18 10:34


 【森】町は17日、町内全域で駒ケ岳の噴火災害を想定した「森町駒ケ岳火山噴火防災避難訓練」を実施した。町職員や町消防本部、森署などの各関係機関、町民ら約500人が参加し、避難所の開設や避難者の受け入れ態勢の構築、防災行政無線放送による情報伝達訓練などを通じて、火山災害発生時に迅速かつ的確な行動ができるよう備えた。

 町内全域での実施は2005年の合併後初の試み。この日は未明に駒ケ岳の火山活動が活発化、午前9時ころに小噴火し噴火警戒レベル3が発表されたと想定。町役場に災害対策本部を設置して、降灰採取や避難所開設を指示。情報伝達訓練では防災行政無線を使用し、町内全域に噴火情報や避難指示など、住民への周知を図った。

 さらに同10時過ぎには噴火警戒レベル5(避難)が発表されたとし、砂原地区全域や赤井川、駒ケ岳、姫川の一部など第一次避難区域指定されている地域の住民に避難指示を発令。対象地域に住む住民に対して指定した避難所へ向かうよう指示した。

 避難所は森町公民館とグリーンピア大沼の2カ所に設け、午前8時半にはすでに自主避難する町民の姿も見られた。第一次避難区域に指定されている尾白内町の男性(80)は「午前8時ころの防災無線を聞いて、自主的に早めに避難した。こうした訓練を経験しておくことで、いざという時に素早く行動できるようにしたい」と話していた。

 避難所では、森町赤十字奉仕団がアルファ米を使った炊き出し訓練も合わせて実施された。町防災交通課によると、この日避難所に訪れた人は公民館が138人、グリーンピア大沼が102人だった。

 このほか、登山者を対象とした避難対策訓練では、午前8時半の噴火警戒レベル2(火口周辺規制)発表により立ち入り規制を実施。町職員や森署員が登山車両や入山届けを確認し、避難誘導に当たった。旧森町時代に森町消防署長を務めた東森町の本多堅勇さん(83)は「訓練は繰り返し行うことが重要。参加したわれわれの声や、噴火災害を経験している他自治体の例を参考に、防災に強いまちづくりを目指してほしい」と期待する。

 梶谷恵造町長は「災害防災について普段から心掛けていなければ、いざというとき被害に遭ってしまう。改めて今日の結果を反省し、みなさんの安全を確保できるようにしたい」と話していた。町は参加者にアンケートを実施しており、「今後の検討課題としてみなさんの声を参考にしたい」(防災交通課)としている。

提供 - 函館新聞社

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