函館三部作最終章 佐藤泰志原作の映画「オーバー・フェンス」 主演はオダギリさん

update 2015/9/11 10:07


 「海炭市叙景」「そこのみにて光輝く」に続く、函館出身の作家佐藤泰志の小説を映画化する函館三部作の最終章「オーバー・フェンス」のキャストが10日までに発表された。主演はオダギリジョーさん(39)、ヒロインは蒼井優さん(29)で、松田翔太さん(29)も出演する。現在、編集作業に入っており、完成は冬ごろ、公開は来年晩夏となる予定だ。

 前2作に続き、市民映画館シネマアイリス(本町22)の菅原和博代表が製作・企画を手掛けた。撮影は6月24日から函館公園など函館市内5カ所を中心に行われ、7月17日にクランクアップしている。テアトル新宿ほか全国で順次公開される。

 函館の短い新緑の季節を舞台に「家族、夫婦、共にいきる」という普遍的なテーマに向き合った大人のラブストーリー。オダギリさんは、元サラリーマンの職業訓練校生・白岩義男を演じる。ヒロインの田村聡(さとし)役の蒼井さんは、風変わりなホステス「鳥になりたいと願う女」を熱演。白岩に興味をもつ職業訓練校生の代島和久を、松田さんに扮する。

 監督は「天然コケッコー」「味園ユニバース」などでメガホンをとってきた山下敦弘さん(38)。  原作は、佐藤自身が小説を諦めかけ、函館の職業訓練校に通った日々の経験を基に執筆し、1985年に自身5回目で最後の芥川賞候補作品となった。前作「そこのみにて光輝く」は第38回モントリオール世界映画祭での最優秀監督賞受賞ほか、数多くの映画賞を獲得している。

 ◆オダギリジョーさん

 函館での1カ月は合宿のような状況だったので、この作品の事だけに集中できたし、みんなで過ごす時間は劇中の関係性を見事に反映したり、より深めたり、貴重な時間でした。信頼できるスタッフとキャストと、共にこの作品に関われて幸せでした。愚作になるはずがないと確信しています。

 ◆蒼井優さん

 長い間、この作品に出会うことを待ち続けていたような気が今しています。それくらい、この現場の過酷さも喜びも想像を絶するものでした。大切な仲間に出逢えたことに心の底の底から感謝します。

 ◆松田翔太さん

 新鮮で真剣な山下組と共に函館で過ごした時間が、すでにかけがえのない時間となり、撮影を思い返すたび、幸せになります。このキャストとスタッフで撮影した本作品を、僕も一緒に期待して待ちたいと思います。

提供 - 函館新聞社

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