教育大綱素案を了承、初の函館市総合会議
update 2015/9/10 10:11
函館市は9日、改正地方教育行政法施行に基づき、市の教育行政の指針となる「教育大綱」の策定や学校問題などについて協議・調整する「第1回函館市総合教育会議」を市役所で開いた。工藤寿樹市長と山本真也教育長、教育委員4人が市の子ども・子育て支援と教育の現状と課題について意見交換し、大綱素案を了承した。
4月施行の同改正法で、首長と教育委員会で構成される同会議の設置が各自治体に義務付けられた。首長が公の場で教育施策を議論できるようになったほか、首長と教育委員会が十分な意思疎通を図り、地域における教育の課題を共有し、一層民意を反映した教育行政の推進を図る。
工藤市長は冒頭「教育のあり方、進むべき道を一緒に協議していきたい」とし、「函館の教育が全道の中でも先駆的なことに取り組んでいくものであってほしいと願っている」とあいさつ。橋田恭一委員長も「学校教育で、今までの範疇(はんちゅう)の中で処理しきれない問題が出てきている。教育委員会の組織、働き具合の抜本的な見直しが必要」と述べた。
大綱の対象期間は本年度から17年度までの3年間で、「子ども・子育て支援の充実」「学校教育の充実」「生涯学習の充実」を基本目標とした。母子の健康確保と増進、情報活用能力を育成するため教室にタブレット端末など(ICT機器)を整備、文化芸術振興施策の推進などを盛り込んだ一方、佐藤敬一委員は「いじめに対する考え方が足りないと思う。もう少し踏み込んだ形のことがあっても良いのでは」と提案。大綱は今月中旬から1カ月ほどパブリックコメントを受け付け、12月中旬に公表する予定だ。
このほか、「いじめをやるな、だけでなく、いじめられた場合を想定した教育、指導も必要では」「特殊な支援を受ける子どもたちをいかに健康な納税者として社会に出すかが重要。さまざまな仕事があることを伝えたい」といった意見が上がった。工藤市長は実施検討中の虫歯予防事業やコミュニティスクール導入について「早めに結論を出すべき」とした。
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