土砂災害 負傷者救い出せ 市防災訓練で連携強化
update 2015/9/4 10:13
9月1日の「防災の日」に合わせて、函館市防災会議主催の本年度防災総合訓練が3日、函館港港町埠頭(ふとう)で開かれた。関係機関や各地域の自主防災組織などから758人が参加、地震や津波、土砂災害に伴う負傷者の救助などを通じて、関係機関の連携体制強化を図った。
警察や消防、自衛隊、海上保安部など24機関のほか、町会や自主防災組織63団体が参加。十勝沖でマグニチュード8・0の地震が発生し、函館で震度5強が観測され、太平洋沿岸西部に大津波警報が発表された—という想定で実施した。
本年度は25項目の訓練を行い、各訓練には複数の機関が同時に参加して災害発生時の避難誘導や海上漂流者の搬送、ライフラインの復旧訓練を実施した。
また、昨年8月に広島県で75人が犠牲になった土砂災害を受けて、今回初めて土砂災害救出訓練を取り入れた。消防隊員が土砂に巻き込まれた民家や車両の中から負傷者を救助し、さらに土砂やがれきの下敷きになっている負傷者をドクターヘリで搬送するなど、市立函館病院の災害医療派遣チームなどと連携しながら救出活動を展開した。
同会議議長の工藤寿樹市長は、昨年9月の御嶽山噴火や同年11月の長野県北部地震など、近年の自然災害で甚大な被害が出たことに触れ、「いつ起こるか分からない災害に対して市民の生命財産を守るため、迅速かつ円滑な対応ができるように毎年訓練を実施してきた。今後も防災関係機関の皆さんと連携を図りながら、市としても防災対策を推進していきたい」と述べた。
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