縄文文化交流センター 受け皿の財団設立
update 2015/8/27 10:09
函館市縄文文化交流センター(臼尻町)の指定管理者導入をめぐり、市や経済界、関連団体が参画する一般財団法人「道南歴史文化振興財団」が設立されたことが26日、分かった。市は来年度から3年間、特例措置として新財団を同センターの指定管理者とする方針。官民一体の財団として同センターの管理運営とともに、「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」の世界遺産登録に向けた運動を進める構えだ。
同センターの指定管理者制度導入は2013年9月の市議会で条例改正が可決されたが、同センターが道内唯一の国宝「中空土偶」を管理している点などから、地元経済界が「市の関与が必要」として導入に反対した経緯がある。
条例は14年度から施行されたが制度導入は事実上凍結され、引き続き市教委が館長を出すなど関与している。この間、市と経済界が継続的に協議を進め、受け皿となる新たな財団を立ち上げることで一致した。
新財団は今月7日に設立。現在同センターの事業委託を受けているNPO法人函館市埋蔵文化財事業団(山本光明理事長)を母体としており、代表理事には函館商工会議所副会頭で、道南縄文文化推進協議会の久保俊幸会長が就任。市や同会議所の幹部、同事業団が理事や評議員として運営に携わる。同事業団は取材に対し「本年度末で発展的に解散し、新組織に移行する」としている。
市教委は条例制定以降、指定管理者の指定を見送ってきたが、「管理ノウハウを持っている」として、新財団を指定管理者に指定する方針。9月2日開会予定の第3回定例市議会で、来年度から3年間の管理委託料1億4077万円の債務負担行為を含む一般会計補正予算案を提案する。
市教委生涯学習部は「経済界も納得できる体制に落ち着いた。財団に対して人材を派遣しながら運営を進めていきたい」としている。
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