燃料に建築廃材活用 高燃料・低燃費ストーブ開発進める
update 2015/8/22 10:25
鋳物製品製造・販売のウエノヤマ技巧(函館市陣川町86、上野山隆一代表)は建築廃材を活用した高燃焼、低燃費型ストーブの開発に取り組んでいる。漁業者の意見を取り入れてこのほど試作品を完成させており、上野山代表(50)は「一次産業の現場で役立てるように改良したい」と、将来の製品化を目指している。
上野山代表は鋳物製品の木型職人で、これまでに五稜郭の形をあしらったジンギスカン鍋の製作や、タコストーブの再生などを手掛けている。
新ストーブの製作は、漁業者から「コンブを乾燥する際に重油を使用するが、燃料費がかかって大変だ」との意見を聞いたことをきっかけに、7月から製作を開始。L字型パイプの水平部分に燃料を入れ、長い煙突を熱が伝うことで高い断熱効果を保ちながら、強い上昇気流で効果的に暖める「ロケットストーブ」の原理を基にした。
廃材を使って7月下旬に完成させた試作品は高さ90a、横幅50a、奥行き60aでオーブンも備えている。同月に行われた陣川あさひ町会の行事でお披露目され、オーブンを使って行事に参加した子どもたちにピザを焼いたところ、1枚につき1分ほどで焼き上がったといい、燃焼能力の高さを示した。
断熱効果が高く、1回燃料をくべると8〜10時間燃やせるのが特徴で、木の端やチップ材、おがくずなどを燃料に使える。「間伐材を上手に利用できれば活用できる。地元で出たものを燃料として回すことができれば使い道があるストーブ」と上野山代表。コンブの乾燥施設や農業のビニールハウスでの利用を想定している。
今後、市内のオートキャンプ場や大学でのピザ作りなどでの試験運転を通じて、製品化への改良点を見極める考え。同代表は「課題はまだある。量産するにしても、きちんとした形にしたい」と意欲を示している。問い合わせはウエノヤマ技巧(電話0138・55・1002)へ。
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