恵山「噴火警戒レベル」素案示す
update 2015/7/30 10:16
活火山・恵山(618b)の防災対策を検討する函館市防災会議恵山火山防災対策部会幹事会(議長・三原克幸市総務部参事)が29日、函館地方気象台で開かれた。札幌管区気象台火山監視・情報センターの千田信篤火山防災官が、最大級の被害を想定した場合を事例に「噴火警戒レベル」の設定素案を公表。住民避難を伴うレベル5の対応を3区分に細分化するなど、火山活動の段階を踏まえた運用方法を協議した。
恵山における最大級の噴火シナリオでは、マグマ噴火に伴う火砕流などが椴法華地区の全域、恵山地区の御崎町から柏野町にかけての広域に到達し、住民避難を必要とする災害となる。
噴火警戒レベルは5段階あり、現状はレベル1(活火山であることに留意)。素案では、火山活動の高まりが予想されたり、火口周辺に影響を及ぼすごく小規模な噴火期に入った段階でレベル2(火口周辺規制)に引き上げる。
この後、現在も噴気活動が活発なX、Y火口(通称・小地獄、大地獄)で小規模な噴火を繰り返したり、火山ガス放出量が増加するなど活動の高まりが予想される場合は、レベル3(入山規制)の段階を飛ばしてレベル4(避難準備)に2段階引き上げる。
さらに複数の想定火口から半径1`b以内に噴石が飛散したり、火山泥流が発生するなど、マグマ噴火につながるような火山活動が活発化した場合はレベル5(避難)とする。レベル5の対応は▽小噴火期▽さらなる活動活発化期▽中〜大噴火期|の3区分に分け、状況に応じて範囲を拡大しながら住民避難などの対応を進める。一方で火山活動が終息に向かった際には、レベル3を含めて段階的に引き下げる考えを示した。
また、気象庁は恵山周辺に設置している観測機器について、設置済みの5種7基に加えて、本年度中に新たに地震計、遠望カメラ、傾斜計を各1基ずつ追加する方針を明らかにした。地震計は恵山周辺で3基目となり、震源位置の計測が可能となる。
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