エゾシカ生息数調査へ 道本年度
update 2015/7/21 10:24
道は本年度、計画的なエゾシカの捕獲を進めるため、道南部(後志、渡島、桧山管内)での生息数を推定するための調査に乗りだす。南部では近年、生息数が増加している可能性があり、それを裏付けるように捕獲数、農林業被害額、交通事故件数が急増。調査結果に基づいて捕獲計画を初めて策定し、生息数の適正化を目指す。
道は東部(オホーツク、十勝、釧路、根室管内)と西部(石狩、空知、上川、留萌、宗谷、日高、胆振管内)について推定生息数を算出し、捕獲による個体数調整を行っている。2013年のデータでは、生息数は東部が21万頭、西部が35万頭、全道合計は56万頭と推定される。しかし、南部は情報不足から実態が把握できておらず、捕獲目標が立てられない状況という。
南部での捕獲数は04年に50頭だったのに対し、13年には40倍となる1976頭に増え、車両との接触事故件数も4件(04年)から88件(13年)へ、農林業被害額は500万円(04年)から3700万円(13年)へと膨らんだ。また、エゾシカの線路内への侵入に伴う列車の運行支障も多発している。さまざまなデータの増加傾向に対応し、本格的な駆除が必要と判断した。
道が民間事業者に委託し、上空から目視で確認する「ヘリセンサス」、自動的に写真撮影できる赤外線センサーを搭載したカメラを生息数が多い地区に設置する「自動撮影」、エゾシカを捕獲してGPS(衛星測位システム)装置を付けて移動経路を調べる「GPS追跡」に着手する。本年度の補正予算に事業費1億9981万円を盛り込んだ。推定生息数は16年度に算出する予定。
渡島総合振興局は「管内での捕獲数(13年)は函館市、知内町、森町の順に多い。生息数を知り、計画的な捕獲を進めたい」(環境生活課)としている。
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