安保法案衆院委で可決、函館でも憤りや不安の声
update 2015/7/16 10:18
集団的自衛権の行使などが可能となる安全保障関連法案が15日の衆院平和安全法制特別委員会で可決された。野党の怒号が飛び交う中で採決を強行した与党に対し、函館では憤りや反発、不安の声が聞かれた。
連合函館地区連合会(荒木敏安会長)の八木橋正典事務局長は「安倍首相自身が『国民の理解が進んでいない』と認めながら、採決を強行したことは理解できない。ここまでやるのかという思い」と憤る。16日午後6時からは民主党とともに大門グリーンプラザ(松風町)で集会とデモ行進を予定する。
道南地域平和運動フォーラム(相澤弘司代表)の鎌田保事務局長も「国民の命を顧みず、声なき声を聞き入れない安倍政権の暴走を止めなくてはならない」。17、18の両日に市内で予定する大間原発問題の集会で、安保法制についても反対の声を強める。
全労連・函労会議(佐々木正美議長)の岩瀬英雄事務局長は「採決の在り方や将来、徴兵制の導入があり得ることを国民に問いかけ考えてもらい、反対の声を上げていく」と語気を強めた。
市民も法案に対し不安を募らせる。小・中学生3人の男児の母親という函館市千代台町の遠藤琴美さん(41)は「法案は絶対反対」ときっぱり。「(戦争となれば)若い人が戦争に出ていくことになる。母親の1人として心配だ」と話す。
子どもの時、第2次世界大戦を体験した市内美原3の立花敏夫さん(79)も「国会議員の半数は戦争を経験してない。もし戦争が起きたらこれからの若い世代に付けが回る」と法案に危機感を抱く。
採決にも批判の声が集まる。市内の会社員女性(24)は「国民の理解が得られていない中での強行採決は不信感が募るだけ。どうすれば民意が政府に伝わるのだろうか」とため息。
七飯町で映画上映を通して反戦を訴えるピースシアター代表の板谷順治さん(77)は「法案に対する反対運動も広がりを見せている。私たち国民の姿が問われており、今こそ結束し、政府に訴えていかなければいけない」と語った。
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