駅前施設の建設始動、新函館北斗
update 2015/7/9 10:25
【北斗】北斗市は8日、新函館北斗駅(市渡)前に、地元経済界を中心とした新規法人により、ホテルを中心とした複合施設を建設すると発表した。年内に着工し、北海道新幹線開業から約1年後の2017年2月のオープンを目指す。長年開発が進まなかった、駅に最も近い「第1街区」で、中核施設の建設がようやく始動する。
同施設をめぐっては、JR北海道がビジネスホテルの建設を14年5月に断念して以降、地元経済界が中心となって建設計画を立て、資金調達を進めてきた。
建物は地上6階建て、延べ床面積約6300平方b。1階は物販、飲食店などを開設。2階以上は、ホテル事業を展開するABアコモ(東京、阿部裕二社長)が運営するホテルとなり、100室の客室のほか、レストランやフィットネス、温浴施設を整備する。部屋は約30平方bのファミリータイプで、料金は1部屋8000円程度という。
総事業費は20億円。地元の金融機関が支援するほか、北斗市は補助金を活用して最大3億円を投じる。また、1階部分の買い取りを検討している。
施設の運営は、地元企業や個人らが出資した新会社「北斗開発」が担う。社長には、函館商工会議所の境勝則副会頭が就任。資本金は3000万円で、今後増資を図るため、道南の企業などに支援を呼び掛けていく考えだ。同会議所の松本栄一会頭は「函館、北斗、七飯の2市1町の経済団体が一体となって支えたい」としている。
この日の記者会見には、高谷寿峰市長、境社長、阿部社長が出席し、事業計画を説明した。阿部社長は「新幹線開業で、道南は国内外の観光客の需要が見込める。旅行客が何度も訪れたいと思えるようなホテルを目指したい」と述べた。高谷市長は「ホテル誘致が決定したことに安心している。これを契機に新駅前の開発をさらに進めたい」と意欲を示した。
地元の北斗市では、待ち焦がれた中核施設の建設計画発表に、喜びもひとしおだ。市観光協会の佐々木博史会長は「新幹線開業に間に合わないのは残念だが、駅前のにぎわいや地域の活性化につながれば」と期待を寄せる。市商工会の高井茂昭事務局長は「ようやくという感じだが、大変喜ばしい」と歓迎した。
駅前の企業誘致をめぐっては、これまでにレンタカー会社7社、タクシー会社1社の進出が決定しているほか、道営住宅の建設が予定されている。
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