函大谷短大、学内売店を学生が運営

update 2015/7/7 10:19


 函館大谷短大コミュニティ総合学科の2年生5人が学内に売店を設置し、1日から営業を開始している。消費者のニーズに応じて商品を提供する「マーケティング」を実践で学ぼうと、仕入れから販売まで5人が担当。早くも学生の人気に火が付いている。

 5人は鄭舜玉(チョンスンオク)講師のゼミに所属。学内には売店や学食がなく、最寄りのコンビニエンスストアは徒歩約10分と不便なことから企画した。今年4月末、全学生を対象にアンケートを実施。回答を得た186人のうち、約9割が「売店は必要」と答えた。

 この結果を踏まえ、大学に研究費を申請し、商品を並べるガラスケースを購入。「価格安く、明日も来たくなる、笑顔になれる店」の頭文字を取って「KAEストア」と名付けた。

 品ぞろえもアンケートをもとに決定。カップ麺や菓子、文房具など約30種類が並ぶ。少ない支払い額で多種類の品物が買えるよう、菓子などを小分けにするなど買いやすい工夫を施した。

 サブゼミ長の佐々木崇充(たかみち)さん(20)を中心に函館市内のスーパーで商品を仕入れ、在庫は学内で保管。純利益はゼミ独自の奨学金として、ゼミ生が面接して選んだ学生に還元するという。

 学生の人気も上々だ。初めて訪れたこども学科2年の佐藤亜里紗さん(20)は「手軽に利用できて良い」と笑顔。6日現在、昼休みまでの1日3回営業しているが、「昼以降も営業してほしい」という声が寄せられているという。

 ゼミ長の塩谷未来さん(19)は「学生の生活が便利になるよう学びを生かしたい。経営は後輩に引き継ぎ、できるだけ長く続けたい」と意気込む。鄭講師は「実際に行動することで自信を付け、地域に貢献する人材を育成したい」と話している。今後は学生の反応をみながら品ぞろえなどを変えていくという。

提供 - 函館新聞社

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