経済再生と人口減課題、工藤市長が市政執行方針
update 2015/6/20 10:27
函館市議会の第2回定例会が19日、開会し、会期を7月10日までの22日間と決めた。工藤寿樹市長は2期目の市政運営に向けた執行方針を述べ、「改革と挑戦のセカンドステージは道半ばの経済の再生に加え、人口減少対策を大きな課題に位置付けた。北海道新幹線開業を迎えるこれからの4年間は、函館再生のための極めて大切な期間だ」と力を込めた。
工藤市長は▽交流人口の拡大▽若者の雇用創出▽少子化対策▽高齢者の安全・安心|の4つを大きなテーマとして掲げ、目指すべき市政の将来像を「活気に満ちたまち、歩いて楽しいまち、訪れたくなる美しいまち、住む人にやさしいまち」とした。
経済施策では、来年3月に控えた新幹線開業を契機とした交流人口の拡大、IT企業の誘致による雇用創出に加え、市国際水産・海洋総合研究センターを拠点として地域ネットワークを強化し、学術研究拠点都市形成を目指す。特に観光振興では「観光基本計画で目標とした観光入り込み客数550万人の早期達成を目指す」と目標を掲げた。
人口減少について、「若年層の転出超過により、子どもを生み育てる世代の人口が減少し、出生数は30年間で半数以下になった」と重要課題との認識を強調。入学準備給付金制度をはじめとする子育て支援施策、産前・産後を含めた女性支援体制を充実させるとし、高齢者福祉では地域包括ケアシステムの構築に向け、福祉コミュニティエリアの整備を進めるとした。
また、電源開発(東京)が青森県大間町に建設中の大間原発にかかわり、「建設差し止め訴訟は市内、全国から支援の声が寄せられている。これからも強い決意を持って全力で取り組んでいく」と述べた。
このほか、交通体系の整備、行財政改革の継続、函館圏2市1町を核とした広域連携の推進などを掲げ、「先人たちが築いた歴史ある土壌に一つ一つの可能性の種をまき、美しい花を咲かせ、次の世代に引き継いでまいりたい」と決意を語った。
続いて、山本真也教育長が「函館に息づいてきた学びの伝統を大切に受け継ぎ、生き生きと磨き合い、高め合う生涯学習の推進に努め、ぬくもりのある地域社会を実現する教育を目指す」と教育行政執行方針を述べた。▽豊かな人生を支援する生涯学習の充実▽子どもの「生きる力」を育(はぐく)む学校教育の推進▽未来を拓(ひら)く教育施設の整備|を重点目標とした。
この日は、政策予算を反映させ、総額を1405億881万円とする本年度の一般会計補正予算案など議案16件を提出した。本会議は24日に再開し、各会派による代表質問を行う。
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