市選管 出前講座で意識浸透図る…18歳選挙権法案 衆院通過
update 2015/6/5 10:22
18歳選挙権を柱とする公選法改正案が4日、衆院を通過し今月中旬にも成立見通しとなったことを受け、函館市選管は若年層を対象とした出前講座を開くなど、対応に乗りだす考えだ。一方、市内の大学や現役高校生は冷静に受け止めながら様子見している。
市選管は今後、教育機関と連携し、選挙の仕組みや投票率の状況などを教える出前講座を積極的に開催する方針。
これまで市選管では、成人祭会場で実際の記載台や投票箱を使った模擬投票を行ってきたほか、小・中学校でクイズ形式の出前講座を実施。毎年「明るい選挙啓発ポスターコンクール」を開催するなど、若年層の啓発活動に力を入れてきた。5月に開かれた全国市区選挙管理委員会連合会北海道支部事務局長協議会では、選挙権年齢の引き下げを見据え、道から高校での出前講座に力を入れるよう指示があったという。
市選管の下中修子事務局長は「模擬投票やグループ討議など、趣向を凝らしながら出前講座に取り組んでいきたい。若年層の投票率が今以上に悪くならないよう、自分の意見を一票に託す意義なども説明し、意識を高めていく必要がある」と話す。選挙運動も18、19歳に引き下げられる点について「SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を使った選挙運動が一層進んでいくのでは」とみている。
一方、在学生全員が対象となる大学からは「まだ何も決めておらず、様子を見たい」との声が多い。公立はこだて未来大は、全学生にメールを送信する仕組みがあり「学生に対し選挙の大切さを周知・徹底していく」とし、住民票の移動なども呼び掛けていく考え。
函館大は4月24日、市選管に場所を提供し、同26日投開票の市長選と市議選の期日前投票所を設けた。投票した38人のうち学生は7人にとどまり、低調だった。同大は「もっと若い世代の選挙への意識を高める取り組みが欠かせない」と今後の対応を模索する。
市内の高校生の反応はさまざまだ。公立高3年の男子生徒(18)は「地元の課題について考える機会が増えるかもしれない」としながらも、「正直(選挙権の)年齢が下がったところで、高校生がみんな投票に行くとは思えない」と話す。私立高2年の女子生徒(16)は「早く選挙に行きたいと思っていたので、年齢の引き下げには賛成」とする。一方で、別の高3の男子生徒(17)は「同じ高3でも、17歳と18歳がいて選挙に行けない人と行ける人がいるのはどうか」と指摘する。
来年の参院選から選挙権が与えられることになる市内の17、18歳の人口は、住民基本台帳(4月末時点)で17歳2464人、18歳2172人の計4636人。
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