好漁願い初出漁 スルメイカ漁解禁

update 2015/6/2 10:23


 道南スルメイカ漁が1日に解禁され、函館漁港から多くの小型イカ釣り漁船が今季初めての漁に出た。昨年に比べて群れの北上が早く、魚体も大きいとの予測が出ており、漁業者は期待を込めて松前沖の漁場に向かった。

 午前9時前から氷などを積んだ船が続々と出港。日本海側の来遊が早く、道南以南の漁場での漁模様が良いということで「早く釣りたいと張り切る人が多く、例年より出漁時間が早まった」(函館市漁協)。市漁協所属の20隻と銭亀沢漁協所属の3隻が松前小島付近で漁を行い、2日早朝に初水揚げする。

 佐藤豊次さん(65)は「漁模様のいい情報が入ってきており、楽しみにしている。ただ、燃油代が高いままなので経費が掛かるのが悩み」と話した。田原正明さん(55)は「期待と不安が半々。序盤の漁模様が良いという研究者もいるが、やってみないと分からない」と複雑な表情を浮かべた。

 市漁協によると、組合員に販売するA重油価格は1日現在、前月から据え置いて1gあたり74・7円(税別)。昨年同期(98・2円)の異常な高値からは低下したが、依然として高い水準で「せめて60円台になれば」(同漁協)との声も。

 道総研函館水試の澤村正幸研究主査は「昨年より群れの北上は早いだろう。また、津軽海峡内の表面水温が平年より1〜2度高いので、日本海を北上し太平洋側に抜けるイカが多くなる可能性があり、その場合は例年より早く函館の前浜で漁獲ができるのではないか」としている。

提供 - 函館新聞社

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