新幹線工事ほぼ完成 函館の生コン特需終了
update 2015/5/23 10:15
北海道新幹線新函館北斗−新青森開業に向けた建設工事がほぼ終了したことに伴い、函館の生コンクリートの特需も終わりを迎えた。新幹線工事は札幌延伸のための村山トンネル(北斗市)を残すだけとなり、供給の最前線は長万部までの北渡島に移る。今後、函館では需要の大幅な減少は避けられない状況で、工場集約化による適正な生産規模構築など業界を挙げての対応を模索している。
函館、南北海道、北渡島の3協同組合で構成する道南地区生コンクリート協同組合連合会によると、道南全体の出荷量のピークは1995年度の140万5660立方b。公共工事の減少を背景に年々減少し、2014年度には39万5836立方bにまで減った。
この厳しい状況の中、下支えしたのが05年に着工した新幹線工事。管内でトンネルや橋梁といった構造物の建設があり、出荷量は持ち直した。14社でつくる函館生コンクリート協同組合(北斗市、成田眞一理事長)はこの10年で関連工事に約60万立方bを出荷。南北海道も約40万立方bを供給し、特需に沸いた格好となった。
ただ、工事がほぼ終了したことで需要は大幅に減少。正念場を迎えることになる。函館の協組は14年度の出荷量18万3766立方bに対し、15年度の想定量を16万8000立方bと厳しく見積もった。「函館アリーナや高層マンションへの供給といった好材料もあったが、今後は減少が続く。公共工事増加に期待するしかない」とする。
各社の経営が苦しくなる前に生産を効率化させようと、近年は工場の集約化による共同操業に切り替えている。今月上旬にも函館市内の工場を1つ閉鎖し、ピーク時に40以上あった道南の工場を24にまで集約。適性な供給量の維持に努めている。
先行きに強い危機感を持つ成田理事長は「人口減少に合わせた生産規模にしていくことが急務。業界を挙げて工場集約化に取り組むことで生き残っていきたい」と語る。
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