3段階の被害想定公表、恵山火山防災対策部会幹事会
update 2015/5/20 10:22
活火山・恵山(618b)の防災対策を検討する函館市防災会議恵山火山防災対策部会幹事会(議長・三原克幸市総務部参事)が19日、市消防本部で開かれた。「噴火警戒レベル」の導入、避難計画策定に向けて、札幌管区気象台の火山防災官が恵山の噴火の特徴を解説。噴火規模に応じた3つの被害ケースを公表した。
恵山は全国47の常時観測火山の一つ。市は避難計画策定に向けて、3月に同部会を設置した。国や道、自衛隊、警察などの実務者で構成する幹事会では、防災会議に諮る噴火警戒レベル案や避難計画などのたたき台をまとめる。
札幌管区気象台火山監視・情報センターの千田信篤火山防災官は、恵山の噴火シナリオ案として、過去の火山活動の被害状況や噴火の特徴を踏まえ、3つの被害想定を説明した。
「一番可能性がある」としたケース1は、7つある溶岩ドームのうち、最も噴気活動が活発な恵山溶岩ドーム西側の爆裂火口でのごく小規模な水蒸気噴火を想定。影響範囲は火口から500bに噴石が飛散するとした。ケース2の山ろくに影響を及ぼす規模の水蒸気噴火では、火口から1`の範囲に噴石や火山泥流の影響がおよぶ。
最も被害が大きくなるマグマ噴火を伴うケース3は、火砕流が発生し、椴法華地区全域、恵山地区の御崎町から柏野町にかけての範囲に到達。「居住区に影響を及ぼす噴火」とし、噴火警戒レベルで住民避難を伴うレベル5の対応が必要となる。
同幹事会は次回7月下旬の会合までに噴火警戒レベルの素案、避難計画の作成方針を取りまとめる。
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