安保法制閣議決定 道南政界は賛否
update 2015/5/15 10:24
政府は14日の臨時閣議で安全保障関連法案を決定した。昨年閣議決定した集団的自衛権の行使を可能とし、日米同盟の強化や自衛隊活動に地理的な制約をなくし、迅速に海外派遣をするための法整備となる。道南の与党関係者は国際的な平和維持には不可欠だとして、今後の国会議論を通じて国民の理解を求めていくとする。野党関係者は米軍に追随した自衛隊が戦争に巻き込まれる危険性を危ぐし、「憲法に反する戦争立法だ」と反対の声を強めている。
自民党の前田一男衆院議員は「国民の生命、安全な暮らしを守るために必要」と意義を強調。「抑止力を高めることが太平洋地域の安定につながる。紛争を抑止するための法整備ということを審議を通して国民に丁寧に説明し、理解を得たい」とする。戦争立法だという指摘に対して「自衛隊の活動は国の存立に関わる重大な事態に限られ、個別的自衛権の延長と考えるべき」と反論する。
公明党の横山信一参院議員は「党内で35回にわたり意見を交わし、十分議論を尽くした。同じ与党の自民党に対して、必要に応じてブレーキをかけるという立場は変わらず、平和憲法の下でどのような安全保障体制を築いていくべきなのか、国会でも問題を掘り下げて議論したい」とした。
首相官邸前では同日、閣議決定に反対する大規模な集会が開かれた。民主党の逢坂誠二衆院議員は「国会周辺は朝から異様な雰囲気だった」と話す。「立憲主義にも戦後の平和主義にも反するとんでもないことを独裁的な手法で進めている。断固として強く非難する」と憤る。同党道第8総支部と道南地域平和運動フォーラムは16日午後1時から市内本町交差点で街頭宣伝活動を予定し、廃案に向けた動きを加速させる。
また、共産党函館市議団長の市戸ゆたか氏は「自衛隊をいつでも戦闘地域へ派遣し、戦争を引き起こす可能性がある」と指摘。「市民の多くが法律の危険性に気付いていない。街頭演説や学習会などで法律の内容を周知し、市全体として戦争立法反対の声を高めていきたい」と語気を強めた。
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