一般公開5周年記念 24日「旧相馬邸」初の無料開放
update 2015/5/14 10:18
函館市指定の伝統的建造物「旧相馬邸」(元町33)が、6月1日で公開5周年を迎える。5月24日には初の無料開放を行い、江戸−明治期の探検家で「北海道」の名前を考案した松浦武四郎(1818〜88年)が描いた「コロポックル(蕗(ふき)の下にいる人)の図」を初公開する。
同邸は明治時代に北海道屈指の豪商として知られた相馬哲平の私邸で、1908(明治41)年に建造。木造平屋、一部2階建てで、エステート企画(東出伸司社長)が空き家になっていた建物を改修し、2010年6月から一般公開を始めた。当時としては珍しい洋間も備えた建物を紹介しながら、「北海道の夜明け」をテーマに、松前の絵師・小玉貞良が描いた「江差屏風(びょうぶ)」といった貴重な資料を展示し、年間1万4000人前後が訪れている。
24日には5周年を記念し、松浦が1874(明治7)年に描いたとされる「コロポックルの図」を初公開。昨年暮れに東出さんが掛け軸を入手し、アイヌ民族の伝承に登場するコロポックルの姿を独特のタッチで描いている。
また、旧上磯町(現・北斗市)随一の旧家として知られる種田家の分家に伝わり、相馬、種田両家で実際に使用された輪島塗の食器類も展示。家紋が入った茶碗などを収蔵し、当時の豪商の暮らしぶりを今に伝える。当日はこのほか、江差屏風(複製)の前で記念写真を撮影できる催しも用意している。
築100年以上の建物を残そうと外壁や蔵の修理を進め、屋根瓦も来館者や行政の補助を得ながら、昨年度から2年間かけて掛け替えを行っている。東出さん(75)は「5年間も公開できると思っていなかったので夢のよう。ファンや行政の応援のおかげ」と振り返りながら「旧相馬邸だけのオリジナル性を出そうと資料を集めてきた。5周年の感謝の気持ちを示したい」と話し、来場を呼び掛けている。 通常の入館料は大人800円、中学生以下300円で、午前9時半から午後6時まで。24日は午前9時半から午後5時まで無料開放する。問い合わせは同邸(TEL0138・26・1560)へ。
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