沿線各町 跡地活用探る…江差線廃線1年

update 2015/5/11 10:09


 【江差】JR江差線木古内—江差間(42・1`)の廃線から11日で、1年を迎える。駅舎やレールなど主な鉄道関連施設の撤去費用は、JR北海道側が負担し、沿線各町で整備される見通しだが、旧江差駅周辺に江差町が公営住宅の建設案の基本方針を示している一方、ほかの沿線の上ノ国と木古内では具体案が固まっていない。両町は「住民の意見などを踏まえながら、まちの将来に負担をかけないような活用を探りたい」としている。

 同区間は1936(昭和11)年11月10日に全線が開通。桧山と函館を往来し、住民のほか、桧山の木材や海産物などを運ぶ輸送機関として産業・経済を支えた。

 しかし、自動車時代の到来で乗客が減少、80年に急行列車の営業を停止、82年には貨物輸送も廃止。輸送密度(1`当たりの1日平均利用客数)は、JR発足当初の87年度の253人に対し、2011年度は6分の1以下の41人に減少した。同社によると、営業収入は10年度1600万円に対し、経費は20倍以上と廃線直前は年間3億円以上の赤字だったという。

 利用者の減少や設備の老朽化、赤字経営などを理由に同社は12年9月、同区間の「鉄道事業廃止」を公表した。これに沿線3町も理解を示し、地元支援策の代替バス運行をJRと協議、JRが9億円(18年間分のバス運行の試算)を拠出することで合意した。

 沿線各町では廃線決定直後から跡地の活用を探る。江差では当初、老朽化による建て替えが課題の町立養護老人ホームひのき荘の候補地案も浮上していたが、条件が合わないとしてこの場所での建設を断念。緊急性があるとして、駅舎裏の9000平方bに2017年から3年かけて1棟4戸を3棟建設、公営住宅以外の土地は、若者の定住に向けて宅地促進として分譲することを検討している。

 また同町は線路近くの運動公園と絡めたレクリエーション施設の整備や花壇なども検討していく。

 木古内町では住民のアイデアを参考に、トロッコ観光列車の運行などを模索しているが、まだ煮詰まっていない。上ノ国町は「何かをつくるなどの有効活用は考えていないが、施設の老朽化もあるので安全策を含めて対応する」としている。

提供 - 函館新聞社

その他の新着ニュース

前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです