スルメイカ漁解禁まで1カ月 続く漁獲量の低迷、燃油高 漁師不安「豊漁願う」
update 2015/5/4 10:20
6月1日の道南スルメイカ漁の解禁まで1カ月を切った。函館は2010年以降、漁獲量の低迷が続いており、現在も燃油高の影響もあり漁業者の経営は厳しい。一方、水産庁が4月28日に発表した日本海での来遊予測では、前年と近年平均(10〜14年)を上回る見通しだ。
函館のイカ釣り漁船は解禁直後、日本海側を北上する群れを追って松前小島付近へ向かう。操業コストに占める燃油代の比重が高く、燃油代高騰は打撃が大きい。
市漁協(橘忠克組合長)によると、組合員に販売するA重油価格は1日現在、前月から3円上がって1gあたり73・7円(税別)。昨年同期(98・2円)の異常な高値からは落ち着いた感があるが、依然として高い水準。漁業者の佐藤豊次さん(65)は「商売するのには高い。経費に占める燃油代が大きいので高騰は困る。イカがたくさん捕れてくれれば」と願う。同漁協は「じりじりと燃油代は上がっており、6月以降どうなるか注視したい」という。
函館港に「いけすイカ」を水揚げする市漁協と銭亀沢漁協所属の漁船は、前年より5隻減って計20隻。船の老朽化や船員の高齢化が要因で、生産基盤が弱体化しているのが現状だ。
調査は5〜7月の日本海でのスルメイカの漁獲見通しを示すもので、平均分布密度は前年と近年平均を上回り、特に石川県能登半島以北で高かった。
道総研函館水試(金森浩一場長)の澤村正幸研究主査は「日本海全体では、秋生まれ群の産卵場の形成が比較的順調だった。小型イカの分布密度も高かったので、来遊状況は10年以降では割と良いのでは」と話す。
本道日本海へのスルメイカ来遊予測は、同水試の調査船「金星丸」が今月21〜27日に行う日本海北上期調査の結果に基づき、漁期開始前に発表される。
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