江差出身の佐藤さん搭乗か 父・幸男さん27日にも現地入り

update 2015/3/26 10:13


 【江差】ドイツの格安航空会社ジャーマンウイングスのエアバスA320(乗客乗員計150人)がフランス南部で墜落した事故で、外務省は25日、搭乗者名簿に江差町出身の佐藤淳一さん(42)の名前が記載されていたと発表した。乗客乗員の生存は絶望視されており、同町在住の父、幸男さん(68)は「自慢の息子だった」と声を詰まらせた。幸男さんは27日にも現地を訪れる予定。

 幸男さんによると、淳一さんは江差高校卒業後、室蘭工大、同大大学院で応用科学を専攻した後、東京の機械商社「西華産業」に入社。5年ほど前からドイツ・デュッセルドルフの現地法人に出向し、現在は支配人代行を務めている。現地でプラント開発など総合的な業務に携わっていたという。

 関係者によると、25日午前8時すぎに、西華産業から江差の親族に連絡が入った。幸男さんは同日午後4時、江差土地改良区理事長としての用務で出張していた札幌から自宅に戻り、報道陣の取材に応じた。

 幸男さんは「自慢できる息子で一生懸命、一企業で頑張った。立派に育ってくれた。不慮の事故とはいえとにかく残念」と涙をぬぐった。淳一さんは今月7、8日に仕事で一時帰国した際に江差に戻り、昨年8月に67歳で他界した母トシさんの法事の準備をし、一人暮らしの幸男さんを気遣っていたという。

 幸男さんは「親思いの息子。本人は学者になりたかったようだ。息子には夢があった。(海外勤務を)もう1年頑張れと言われ、来年は戻って来られるからと聞いていた」と述べた。淳一さんの妻と子ども2人もドイツに滞在しており、幸男さんは「(来年帰国したら)長男の小学校入学に机を買ってあげようと楽しみにしていたところだった」と唇をかんだ。

 幸男さんの弟、佐藤澄世志さん(65)は「言葉が出ない」と肩を落とす。淳一さんと小・中学校の同級生の由利浩輝さんは「クラス会を開こうと名簿をつくっていたところだったので」と事故に遭ったのが信じられない様子。淳一さんを幼少から知る室井正行さんは「温厚で努力家。親思いでお母さんも本当に彼をかわいがっていた」と話した。

提供 - 函館新聞社

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