市電722号 解体一転、保存…竹田運輸が購入
update 2015/3/21 10:19
函館市企業局は2月に一般競争入札での売却を中止した市電の廃車車両「722号車」を、市内西桔梗町の竹田運輸(竹田敏美社長)に売却した。価格は鉄くずに準じた3万7000円(税抜き)で、20日に駒場車庫からの搬出を終えた。解体する見通しが一転、新たな地で余生≠過ごすことが決まった。
722号車は1959〜62年導入の「710形」の1両で、超低床電車「らっくる号」の3編成目導入に伴い、2013年度末で廃車となった。これまで廃車後は鉄くずとして売却していたが、同局は車体ごとの保存活用に潜在的な需要があるとみて、12年度から市内で5年間、静態保存することなどの条件を付けて入札を実施。過去2回の入札では1両の保存につながった。
今回の入札は1月に公告したが、期日の2月9日までの申し込みがなかった。同社は、入札中止後に初めて車体売却の方針を知り、同局に購入を打診。ほかに購入者が見込めないことから、再公告はせず、入札時と同条件での随意契約での売却を決めた。
同社は今後、仮置きしている場所から会社敷地内に車体を移設し、社員の休憩場所としての利用を想定している。同社は「解体されると知り、せっかくの函館の資産を残してたいという思いもあって購入した。昔の緑色の塗装に塗り替えることも考えている」としている。
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