砂原の藻場でハタハタ産卵

update 2015/3/17 10:32


 【森】森町砂原地区で、ハタハタの産卵場所を確保する取り組みが成果を挙げている。渡島総合振興局が、共和コンクリート工業海藻技術研究所(函館市弁天町、北山進一所長)などと共同で、2012年度から海藻の群落(藻場)作りに着手。1月に行った潜水調査で、初めて海藻の根元にハタハタの卵を確認した。近年ハタハタの漁獲量は激減していただけに、地元の漁業関係者は喜びの声を上げている。

 同地区のハタハタの水揚げ量は、稚魚のすみかとなる藻場の衰退などを背景に年々減少し、昨年度は最盛期の4分の1以下となる26dまで落ち込んでいた。藻場造成事業は、ハタハタが産卵場所として好む海藻、ウガノモクの幼体をコンクリートブロックに取り付けて海中に沈め、繁殖させる取り組み。同地区の岸から200bほど離れた浅瀬に、3年間で1200基のブロックを設置した。

 1月25、27日に行った調査では、13年度に取り付けた231基のうち、27基で産卵を確認。範囲が広大なため調査は一部にとどまったが、北山所長は「条件は整いつつあるので、大きな群れがくれば数はどっと増えるだろう」と期待を寄せる。海中に沈めた約3aの幼体は1bほどになるまで育ち、12年度に設置した分からは、受精して増殖した海藻も確認できるという。

 砂原漁業協同組合の小島力総務部長は「嬉しい知らせ。資源の回復がハタハタ漁の復活につながってほしい」と話す。同振興局は27、28年度に森地区、29年度に八雲地区で藻場造成を行う予定で、有馬一幸水産振興係長は「今回の成果で弾みがついた。次年度の取り組みに生かしたい」としている。

提供 - 函館新聞社

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