「ペシェ・ミニョン」アジアへ販路拡大
update 2015/3/13 10:20
函館の洋菓子製造業「ペシェ・ミニョン」(中沢美樹社長)が2013年にシンガポールに設立した現地法人「ペシェ・ミニョン・アジア」(大平賢社長)が積極的な事業拡大を進めている。中心街や空港、リゾート地近くのショッピングセンター(SC)内に「ペイストリースナッフルス」の直営3店舗を設け、日系百貨店の催事にも切れ間なく参加。タイやマレーシアなどへの販路も開拓中だ。大平社長は「若い女性層を中心に喜ばれている。アジアを代表するお土産品を目指している」としている。
同法人は13年9月に、中心部で地下鉄駅とも直結するSC「プラザ・シンガプーラ」に1号店を開店。地下2階の店舗正面にはエスカレーターがあり、週末を中心に多くの人が行き交う場所だ。
看板商品「チーズオムレット」(現地名「キャッチケーキ」)は、函館で製造した製品を急速冷凍し、苫小牧経由で1カ月平均1コンテナ(8個入り×1万箱)を輸出。大平社長は「冷蔵解凍することで函館で扱う商品と味や食感に変わりはない」とし、現地向けには限定の抹茶味などもある。
多店舗展開は開設当初からの想定だが、14年2月にリー・シェンロン首相夫妻主催の旧正月(春節)のパーティーでの土産品に採用され、一気に認知度が向上したという。大平社長は「スタッフのサービス力向上に専念しようと宣伝は控えていた時期で、政府関係者に使用してもらったことは大きかった」と話す。
現在、空港や観光リゾート地近くのSC内店舗の3店舗のアルバイトを含めた従業員数は設立当初の13人から55人に増え、当初目標の年間2億円の売り上げも達成する見通しだ。今後、タイや台湾、マレーシアでの販売計画を進めており、大平社長は「いずれはカフェ形態の『ペシェ・ミニョン』の店舗展開も考えている」と話していた。
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