函館・北斗 減災対策へ 道が大地震で半壊5100棟、死傷者658人想定
update 2015/3/11 10:14
道が2月下旬に公表した内陸型の大規模地震発生時の被害想定調査によると、渡島管内は函館市、北斗市を中心に建物5100棟が全半壊し、死傷者計658人との結果が出た。函館、北斗両市が独自で想定した被害状況よりも少ない数値となったが、両市とも今後さらに結果を分析しながら、減災対策を進める。
調査結果は先月23日に開かれた道防災会議で示された。管内別に実在する活断層に基づいて被害予測を調査。昨年3月の十勝、釧路、根室管内の公表に続き、今回渡島と胆振、日高管内分をまとめた。
渡島管内は北斗市を南北に貫く「函館平野西縁断層帯」をモデルにマグニチュード(M)6・6の地震を想定。震度7の揺れに襲われる可能性があるとし、死者は北斗市26人、函館市6人など計34人に上るとした。重軽傷624人、避難者数1万3548人とした。
同断層帯は長さ24`で、2001年に公表された時点で、今後30年以内に地震発生確率は0〜1%となっている。
函館、北斗両市とも同じ断層による直下型地震の被害状況を独自で想定。函館市が1997年時点に定めた想定被害は、M6・6の内陸直下型で震度6強の揺れが生じ、建物の倒壊や火災による人的被害としては夏に156人、冬で510人が死亡すると予測。負傷者は夏・冬ともに8878人、避難者は夏で2万7451人、冬で3万2814人とした。
現在は人口減少などを加味し、地域防災計画では死者、負傷者の数を変えずに、避難者を2万9000人と想定。これを基準として避難所や避難地の指定、食料や生活必需品の備蓄量などを定めた経緯がある。
北斗市は合併時の2006年前後に想定。屋内にいることの多い夜間の場合、人的被害を死者70人を含む1500人以上と予測している。
函館市の羽二生智総務部防災担当参事は20日に予定される道からの説明会を注視する考えで、「市の想定の方が被害が大きく、道の想定と差がある。説明会を聞き、内容を分析してから本格的に取り組みたい」とする。
北斗市の工藤実総務課長は「どちらも大規模災害になりうることを想定しており、日頃から災害発生時の初動の周知・啓発や情報伝達体制の充実化を図り、減災対策を進めたい」と話している。
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