北大とシンガポール国立大、6月に学生が相互交流
update 2015/3/10 10:13
北大大学院水産科学研究院(安井肇院長)は、国際交流協定を結ぶシンガポール国立大学(NUS)理学部と、6月に初めての協働教育プログラムを実施する。両大学の学生が函館とNUSキャンパスで水産関連産業の輸出産業化に向けた課題克服などをテーマに合同講義を受講し、両国間の違いや新たな研究シーズを探る。同研究院国際教育室長の都木靖彰教授は「食品科学や医療分野の先端研究を進めているNUSと連携することで、研究レベルの向上にも期待したい」と話している。
同研究院をはじめ、函館地域の産学官民が連携して取り組んできた函館マリンバイオクラスター事業などでは、水産業の高付加価値化や持続可能な産業化を目指す研究が進められてきた。次の研究ステージに「輸出産業化」を据えることことで、鮮度保持の技術開発や海外ニーズの把握、グローバル人材の育成など新たな課題への取り組みが不可欠となる。
NUSは食品科学や医療分野への応用の研究が盛んで、同研究院は2012年度から連携を強め、昨年3月に交流協定を締結。同4月には現地との交流の足がかりとするため、シンガポールオフィス準備室を開設した。将来的にはNUSに北大職員を常駐させ、学生の留学だけではなく、研究者の長期派遣にもつなげたい考え。
6月のプログラムは北大生8人、NUSの学生17人の計25人規模の参加を想定し、両キャンパスでそれぞれ1週間ずつ集中講義を実施。函館では水産関連産業の衛生管理技術や輸送、加工技術などを学ぶ予定で、NUSのインターネット講義システムも活用する。
都木教授は「シンガポールはアジアにおけるビジネスの交差点であり、周辺国への波及や貿易発展の可能性がある。北大の学生にとっても海外経験を積む機会であり、双方の学生が互いの国を比較し、違いを学ぶ場になる」と話している。
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