緊急時 外国人に通訳紹介…函館市がヘルプデスク設置
update 2015/3/7 10:24
函館市は新年度、市内在住の外国人や海外からの観光客が医療措置を必要とする場合に備えて「緊急対応ヘルプデスク」を設置する方針だ。アジア圏からの観光客増加を見据えた事業で、外国人が体の不調を訴えた場合などに電話してもらい、24時間体制で通訳を紹介する。4月中にも開始する考えだ。
事業は道国際交流センター(HIF)に委託。同センターに置かれている外国人生活相談窓口を拡充して行い、新年度予算案で113万円を計上した。
数人のオペレーターが輪番で携帯電話を持ち、24時間365日対応。オペレーターは宿泊施設や交通機関などから外国人の国籍や言語を聞き、市が作成したリストの中から通訳者を選んで連絡し、現場に向かってもらう。
現段階で英語や中国語、韓国語のほか、ロシア、タイ、インドネシア、フランスなど11カ国語での対応を見込んでいる。通訳料は患者が通訳者に直接支払う仕組みで、1時間6000円、夜間同7500円で統一する。
函館に宿泊する外国人韓国客は年々増加し、2013年は約30万人。マレーシアとのチャーター便就航や3月末からの天津(中国)との定期便就航などの要素を踏まえ、一定のニーズがあると判断。宿泊施設や交通機関、医療機関などから年間数十件の利用を想定している。
市企画部によると、13年に市消防本部が救急搬送した外国人数は30人。台湾人が9人で最も多く、中国人7人、シンガポール人とオーストラリア人が各3人だった。14年も総数56人と増えている。同部は「交通事故や火事などの場合は周りの人が連絡してくれるが、体の痛みは伝わらない場合が多い。外国人観光客が安全安心に旅行できるように環境を整えたい」(国際・地域交流課)としている。
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