函館市新年度、家庭訪問で特定疾病児支援
update 2015/2/22 10:16
函館市は新年度から、家庭訪問型の「小児慢性特定疾病児童等自立支援事業」を始める方針を固めた。自立支援員が特定疾病のある児童がいる家庭を訪問し、保護者に家庭看護や食事に関する相談支援をするほか、福祉制度の紹介や学校との連絡調整などの役割を担う。
昨年5月の児童福祉法改正により、都道府県、指定都市、中核市が、小児がんや白血病、糖尿病などといった特定疾病のある児童とその家族の負担軽減、児童の自立や成長支援を行うと示された。
市では、2005年から特定疾病のある児童への医療費の給付や、ベッドなど日常生活用具の給付を行ってきた。しかし、相談業務は職員配置に限度があり、保護者から依頼があったときのみしか対応できなかった。市母子保健課は「これまでは書面上のみで児童の症状を把握していたが、自立支援事業によって児童と保護者の詳しい情報を知ることで、きめ細かなサポートができる」としている。
相談支援は、家庭看護や食事・栄養など日常生活に関する相談を行う「療育相談指導」や、福祉の措置が適用されず、やむを得ず在宅での療育をしている家庭を訪問する「巡回相談指導」など。民間事業所への委託事業とし、専属スタッフ1人を配置する考え。
今年1月1日に医療費給付の対象疾病数が514から704疾病に増え、現在の市内の特定疾病児童数は約160人。自立支援員は必ず1年に1度は全家庭を訪問し、支援の状況に応じて訪問数を増やし、学校、医療機関と連携した心理面のケアや就労支援にもつなげる考え。
同課は「疾病による児童の孤独感を軽減させ、社会参画の手助けとなるような事業にしたい」と話す。
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