ハワイ沖で函水高生不明 実習船から転落か
update 2015/2/19 10:16
18日未明、米ハワイ・ホノルル島から南西約200`の沖合で、道の実習船「北鳳(ほくほう)丸」(664d)に乗船実習していた函館水産高校機関工学科2年の男子生徒(16)が行方不明になったと同校に連絡が入った。男子生徒は海中に転落した可能性が高いという。米沿岸警備隊などが捜索している。
同校などによると、現地時間の17日午前6時35分ごろ、船内で朝食ための点呼を取った際に、男子生徒がいないことに気付いたという。男子生徒は同16日午後9時から17日午前0時まで船内の確認などをする当直業務に当たっていた。船内の後部に設置しているカメラで、当直を終えた4分後に男子生徒がデッキに出る姿が確認されていた。その後、戻る姿はなかったという。
北鳳丸の乗員らは男子生徒の不在に気付き、すぐに引き返し、同7時55分ごろに米沿岸警備隊に救助を要請。航空機2機が出動したほか、北鳳丸と、千葉県と高知県の水産高校の実習船も現場付近の海域で捜索。さらに同隊の巡視船1隻と、国内の実習船9隻も付近の海域に向かっている。当時の天候は晴れで、波は穏やかだったという。
北鳳丸には同校生徒39人と教諭4人、乗員26人が乗船。実習は1月20日に始まり、23日に函館港を出港。中部太平洋でマグロのはえ縄漁やエンジン操作などの実習後、今月14日にハワイ・ホノルルに到着した。現地で「えひめ丸」(愛媛県立宇和島水産高校実習船)の慰霊碑を訪ねたほか、観光地を巡るなどしていたという。現地時間の16日午後4時ごろにホノルルを出港。3月3日に漁獲したマグロの水揚げのために静岡県の清水港に寄港し、同8日に函館に帰港する予定だった。
同校は18日午後0時45分ごろ、記者会見を開いた。同高の三ツ石茂之校長は、携帯電話に渡島教育局から連絡を受け、男子生徒の保護者に事情や経緯を説明した。また同校が北鳳丸に連絡したところ、乗船している実習生はショックを受けた様子だが、体調を崩している人はいないという。三ツ石校長は「言葉がなかった。捜索を見守り、無事に帰還することを祈るしかない」と言葉を詰まらせた。
同校は同日午後7時に、実習に参加している生徒の保護者を対象にした説明会を開いて、約30分にわたって状況を説明。個別の相談にも対応した。
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