日本一甘いカボチャで函館銘菓開発、販売へ
update 2015/2/17 10:12
函館市高盛町の老舗和菓子製造、吉田食品(吉田貴之社長)は、森町駒ケ岳のみよい農園(明井清治社長)の有機栽培カボチャ「くりりん」のペーストを活用したスイーツの開発、販売に乗り出す。1年後に迫った北海道新幹線開業をにらみ、函館を代表する菓子、土産品に育てていく考えだ。
両社の計画は、今月2日付で経産省と農水省の支援制度、農商工連携に認定された。新製品開発には金融機関からの低利の融資などを利用する。
同農園で栽培されているくりりんの糖度は最高30・5度で、日本一の甘さと評されている。畑の中の微生物にホタテの貝殻の付着物など「海のミネラル」を取り入れる土壌づくりで高い糖度を実現。有機JAS認証も受け道南を代表するブランド商品になった。
同農園ではペーストを自社製造しているが、皮は廃棄処理していた。ペースト化に目途が立ったことから、吉田食品は皮も使った新製品の開発に取り組む。くりりんの高いブランド力を活用し、「黄金の南瓜スイーツ」シリーズとして売り出す計画。バウムクーヘンやパイ、チーズスフレなど洋菓子をはじめ、和菓子やどら焼きなども製造する。
吉田食品は新幹線開業を見据え西桔梗町に、今年11月には工場、来年3月に新店舗を新築する計画を進めており、カボチャのスイーツを主力商品に据える。試作も順調で、年内にも催事などの場で試験販売を開始するという。
16日には乃木町の北海道中小企業家同友会函館支部の事務所で認定キックオフ会が開かれ、道経済産業局と道農政事務所の担当者が両社長に認定証を手渡した。吉田社長は「新幹線開業で土産品の需要は確実に増える。新ブランドを確立し人気商品にしたい」と意気込む。明井社長は「菓子と一緒にカボチャのブランド価値もさらに高めていければ」と語った。
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