地域とともに発展…函大開学50周年
update 2015/2/16 10:20
函館大(溝田春夫学長)は今年、開学50周年の節目を迎える。商学部のみの単科大学という強みを生かし、専門分野に対応できる有益な人材を育成してきた。小規模ならではのきめ細やかな指導や地域と連携した授業「商学実習」による実践教育に力を入れる。10月に開催予定の式典など、記念事業の検討も進めている。
初代学長を務めた野又貞夫氏(故人)が、1965年に高丘町に開学。しかし、新築した本館校舎は68年5月16日の十勝沖地震により全壊。震災復興校舎は69年に落成した。87年には商学・会計コース、経営情報コース、国際英文秘書コースの3コース制を導入、2010年に企業経営コース、市場創造コース、英語国際コースに再編した。商学部ながら、英語の教員免許を取得できる。
少子化の荒波の中、一時300人とした入学定員は、13年には120人まで減少。時代や社会のニーズに応じ、改革を行いながら歴史を刻んできた。
これまで卒業生は9560人を数え、函館市議会の松尾正寿議長や函館商工会議所の松本栄一会頭(前身の函館商科短大卒)、函館国際観光コンベンション協会の渡邉兼一会長、函館市町会連合会の木村一雄前会長ら函館の重要ポストで活躍する人も多い。スポーツ界では、埼玉西武ライオンズに所属する坂田遼外野手が有名だ。
かつては道外出身者が多かったが、現在は道南50%、東北25%、その他25%となり、地元から入学する学生が増えた。小規模校のため学生一人一人に目が届きやすく、面倒見が良いことに定評がある。また、1、2年生が受講する商学実習T・Uは、自ら課題を見つけ、解決する方法を身に付ける特色ある教育として注目される。北海道新幹線やGLAYライブ、中島廉売など幅広いテーマを取り上げており、調査を通じ地域貢献を目指す。
就職実績の高さも際立つ。13年度は96・7%となり、学生に対してきめ細かい就職支援を行っている成果が現れた。地域貢献では、13年10月から毎週金曜に函館新聞の紙面で「函館大学紙面公開講座」を掲載。教員が大学の活動を分かりやすく解説し好評を得ている。
函大は50周年を「大きな節目」と捉えており、学内に準備委員会を設置し記念事業に取り組む。広報、記念誌、式典、事業の4部会を設け内容の具体化を急ぐ。
函大の堀田寿生事務局長は「地元と密着した大学づくりを進め選んでもらうことが重要。そして地元で活躍できる人材を送り出したい」と話している。
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