東大沼に観光施設整備 JR北と北洋銀など
update 2015/2/13 10:28
【七飯】JR北海道と北洋銀行は12日、2016年3月の北海道新幹線開業に合わせ、七飯町東大沼のJR函館線流山温泉駅周辺で体験牧場や宿泊施設などを含めた観光施設を整備すると発表した。東大沼で牧場を運営する農業生産法人と新会社を設立。飼育している北海道和種馬(ドサンコ)を体験観光に活用する計画だ。新幹線利用者のほか、増加する外国人観光客も取り込み、滞在、交流の拠点を目指す。
JRは東大沼エリアに約150fの敷地を所有。バブル期の1989年にゴルフ場を核とした複合リゾート施設の計画を打ち出したが、バブル崩壊で規模を縮小。現在は約20fの敷地に日帰り温泉の流山温泉やパークゴルフ場、キャンプ場などを運営している。
JRなどと新会社「どさんこミュゼ」をつくるのは、大沼流山牧場を運営する流山(宮本英樹社長)。宮本社長が新会社でも社長を務める。牧場では現在、ドサンコ10頭を含め馬25頭、羊100頭を飼育している。
計画では、流山温泉をレストランとカフェテリアに改修。ほかにドサンコを活用し、乗馬体験やホースセラピーができる体験牧場をつくる。また、ログハウス1棟もあり、宿泊も可能。レストランでは飼育する羊の肉を提供する。今年10月にプレオープンさせ、新幹線が開業する来年3月に全面開業する予定。整備は段階を分けて行う構想で、ホテルやスイーツ工場の建設も計画に入っているという。
新会社の資本金は3億1600万円。JRが敷地や建物、各施設を現物出資するほか、新幹線開業後はツアー造成や送客で全面的に協力する。また、流山が1次の生産で、ミュゼが馬の調教、販売、観光への活用(2、3次)といった具合に6次化を図ることから、北洋銀などでつくる1次産業の付加価値を高めるための「6次化産業化ファンド」が1億4900万円を出資する。「体験観光を加えた農業者の6次化は珍しく、6次化ファンドによる投資も全国初になる」(同行)。
会社名のミュゼはフランス語で、ミュージアム(博物館)の意味。ドサンコの保存と体験がコンセプト。宮本社長は「動態展示でドサンコの魅力や文化を伝えたい。体験観光を組み合わせることで道南らしい交流拠点にする」と意気込んでいる。生産面ではドサンコの海外輸出も視野に入れているという。 JRは計画を進めるにあたり、流山温泉など各施設を2月末で閉鎖する。
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