2年連続 収支均衡…函館市新年度予算案

update 2015/2/11 10:20


 函館市は10日、2015年度予算案を発表した。4月に市長選を控えた骨格予算だが、一般会計は前年度当初比1・3%増の1386億7000万円で、過去最大となった。市長選後の政策予算分を含めて予備費に5億円を組み込んだが、2年連続で財源調整のために基金を活用しない収支均衡予算とした。予算規模拡大は、子ども・子育て新制度に伴う施設型給付費の増額や学校の耐震改修事業などが主な要因。26日開会の第1回定例市議会に提案する。

 一般会計は3年連続の増額で、事業の緊急性、継続性を考慮し、必要な政策的経費を盛り込んだ。港湾事業など特別会計は同10・4%増の932億9600万円、企業会計は同13・4%減の465億2200万円で、全会計総額は同1・2%増の2784億8800万円となった。

 一般会計の歳入は、市税収入が同2・3%減の313億8800万円。約7・3億円の減額のうち、法人市民税は交付税原資化に伴い2・5億円の減少、固定資産税は3年に1度の評価替えの基準年度に当たり、3・4億円の減収を見込んだ。普通交付税はほぼ前年度並みの339億円、臨時財政対策債などを含めた交付税全体で400億1000万円。

 予算不足を補う財政調整基金と減債基金の取り崩しは行わず、両基金の残高は15年度末で約33億円となる見通し。事業財源としては中心市街地活性化関連事業費に地域振興基金の4億4000万円、学校改修などの事業に公共施設整備等基金の5億5000万円、北海道新幹線開業記念イベントには観光振興基金5100万円などを活用する。

 市債は、通常債が88億円で、このうち合併特例債が27億9200万円など同13・4%減の132億1000万円。全会計の市債残高は2507億2700万円で本年度より24億円減少した。

 歳出では、人件費は給与制度見直し効果などを勘案し、同1・1%増の183億8300万円。扶助費は生活保護費が前年度とほぼ同額の219億円となった一方で、子ども・子育て支援新制度の導入に伴い、同3・8%増の409億8600万円となった。事業費は小中学校の耐震改修事業費を盛り込み、同9・9%減の149億5000万円となった。

 主な事業では、戸井西部総合センターの建設工事に着手。函館アリーナ、函館フットボールパークの整備が大詰めを迎える。中心市街地活性化関連では、市民交流プラザの実施設計経費、函館駅前通のアーケード撤去補助金など。観光関連では、新幹線開業関連イベントの開催経費、一次産業振興では6次産業化の取り組みを推進する農林水産物高付加価値化促進事業費補助金などを計上した。

 このほか、国民健康保険料は2000年度以来となる5%の引き下げ、介護保険料(1号被保険者)の基準月額は280円増の5300円に改定することなどを各会計予算に反映させた。病院事業会計にはドクターヘリ運航経費を通年で盛り込んだ。

 工藤寿樹市長は「18年ぶりとなった収支均衡予算が1年で逆戻りすることのないよう、政策予算の留保分を含めて予算化した。函館再生の動きを中断することのない編成となった」と述べた。

提供 - 函館新聞社

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