少雪泣き笑い…浮く除雪費、関連用品は不調
update 2015/2/1 10:09
今冬の道南は、冬型の気圧配置が長続きしない影響で、気温は高めに推移している。このため積雪(地面に堆積している雪の深さ)は少なく、自治体の除雪費は大幅に減少する一方、除雪用品などの売れ行きは伸び悩み、さまざまな影響が出ている。
気象庁の速報値によると、函館の1月1〜30日の平均気温は氷点下1・0度で平年より1・6度高い。一方で、11月からの累積降雪量(雪の降った量)は207aで、平年(225a)の92%と大きな差はない。暖かいため、雪が地面に積もらない状況だ。
市道の除雪を担う市土木部維持課によると、市内一円の幹線道路を一斉に除雪する機会はなく、山沿いなど局地的な除雪にとどまり、20日までに出動したのは9日間のみ。市民からの要望件数も大幅に減少し、昨季は1月中に400件を超えていたが、今季は4分の1程度だという。
市の除雪費は、本年度は4億円(本庁管内分3億7000万円)。2009年度以降は毎年、シーズン当初に予算が払底し、補正予算を組んで対応してきたが、今年は20日現在の執行分は前年同期1億1000万円の半分以下となる4500万円。同課の中西博文課長は「このままの気象状況で推移すればありがたいが、2月末までは気を緩めずに対応したい」と話す。委託先の業者には除雪車両を維持するための必要経費を支払う保障制度を導入して対応している。
1月の真冬日は平均12・3日だが今年は8日(30日現在)にとどまり、水道凍結の被害も少ない。市企業局と水道修繕センター(海岸町)に寄せられた凍結の問い合わせは、昨年12月に20件あったが、1月は7件のみ(29日現在)。昨年1月の160件より大幅に減少している。
「除雪用品の売れ行きは良くない」。市内のホームセンターは頭を抱える。ホーマックスーパーデポ石川店では、融雪剤やスコップなどの売り上げが前年比で60%減少という。「前年並みに在庫を揃えているが、今冬の雪はすぐに解けるので売れない」と曇り顔。ジャンボイエロー亀田店は「例年だと除雪用品の売り場面積を縮小する時期だが、今年は在庫が多く、なかなかできない」と話す。
スキー場でも影響はあった。七飯町のニヤマ高原スキー場は降雨の影響で26日から3日間、休業を余儀なくされた。現在は滑走可能で、これからの積雪に期待。同町の函館七飯スノーパークは大きな影響はなかったが、雪が少ないのではという問い合わせが続いたという。担当者は「長年勤めているが、こんなに電話を受けたのは初めて」と驚く。
暖房の燃料代は節約できているようだ。深駒町会事務局の渡部静子さんは「会館の灯油代は月約2万円だが、2000円以上は抑えられている」と話す。ただ、灯油の販売は、価格が下がっていることで求める人は多いようだ。セルフ函館港町SS(港町1)では「購入しやすい価格となり、1日平均30人が来店し、売り上げは平年並み」と話した。
札幌管区気象台によると、向こう1カ月の道内は、引き続き気温は高めに推移するとしている。
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